この暗い翼が私を拉し去ることを私は恐れます。 人の世を恨み憎み信仰を裏切って、いったいどこへ行かれましょう。 (真夜中の祭壇にほかに人影はなく、 四方を石の壁が閉ざして音ひとつない) 憎しみを打ち捨てる力がいるのです。 悲しみを許す力がいるのです。 私はあなたの前に身を投げ出し、祈ります。 どうかこのつまずきを超える力を与えてください。 (闇は深く、その奥底に三叉はほのかに輝くが、 それは万里の彼方の星のごとくかすかで、温もりを与えない) 私はあなたの翼のもとに逃れることを望みます。 にも関わらず、わたしはこの身に暗い翼を帯びています。 私の激情は私にあなたを裏切らせようとしています。 どうかこのつまずきを超える力を与えてください。 |